【スペインレンタカー旅 その5】ピレネー山脈、オルデサ渓谷をハイキング。キャンプ場情報あり。
2017年5月にレンタカーを借りてスペイン北東部を周遊しました。
15日間のスペインレンタカー旅の後半戦は、フランス国境に横たわるピレネー山脈のハイキング。
第一弾はオルデサ・モンテ・ペルディド国立公園(Parque Nacional de Ordesa y Monte Perdido)という国立公園の、オルデサ渓谷を歩いた時の話。ちなみに第三弾まで続く予定です。
5月後半、ピレネー山脈はまだ雪も残るシーズンだし、バルセロナで盗難にあってヘッドライトや防寒着を盗まれてしまったので(盗難にあった悲しい話→【悲報】バルセロナのバスターミナルで商売道具を盗まれた。)、今回は山の上でのテント泊は諦めて、全てのコース日帰りです。
行くまでは雪で歩けないのかなと少し心配していたけれど、すっごい気持ちのいいハイキングだったよ!
オルデサ渓谷ハイキング。
世界遺産であるオルデサ渓谷、ここのもっとも有名なトレッキングルートはトルラ=オルデサという小さな村を起点にし、オルデサ渓谷を通って、フランス国境にあるローランの裂け目(Breche de Roland)を越えて、フランス側のガヴァルニー圏谷に下りるコース(またはその逆コース)だと思います。
またはペルディード山(Monte Perdido)に登るコース。
モンテ・ペルディードは標高3,350m、ピレネー山脈では三番目に高い山で、実際に私たちもハイキング中に「モンテ・ペルディードにこれから登るんだ。」というスペイン人のおじさん4人組トレッカーに会い、めちゃ羨ましかったです。
ハイキングをする数日前に、念のためオルデサ渓谷のゴリッツ小屋のホームページで確認したところ、オルデサ渓谷入り口からゴリッツ小屋までは雪がないけれど、ゴリッツ小屋からフランス国境を越える箇所は残雪があり、クランポンが必要なようでした。
ゴリッツ小屋(Refugio Goriz)の公式ホームページはこちら。
http://www.goriz.es/index.php/en
また、途中で出会ったスペイン人のトレッカーによると、モンテ・ペルディードに登るにも5月中旬はクランポンが必要なようでした。でもゴリッツ小屋に宿泊して1泊2日あれば行けるみたい。次回このエリアに行く時は登りたいなあ。
装備もないし、峠を越えたり山頂まで行くのは難しそうなので、私たちの日帰りハイキングのゴールはゴリッツ小屋です。
ハイキングをするための入り口はオルデサ駐車場。
ゴリッツ小屋までの距離は片道およそ11km、標高差は650m。
夕方天気が崩れる予報だったので、明るくなってきた頃にキャンプ場を出発し、朝7:00頃オルデサ駐車場に到着。
この時はまだ駐車場はガラガラ。駐車場からはすでに氷河で削られた大きな岩山が見えます。
オルデサ駐車場から川の左側を歩くコースと、右側を歩くコースの2つがあります。私たちは行きを駐車場から見て左側(北側)、帰りを右側(南側)のコースで歩きました。
北側の方が川に近く、いくつかある滝を間近に見ることができ、南側の方が川から遠いけれど、山を見晴らす展望ポイントがいくつかある感じでした。
川の水は透明で、オルデサ渓谷に到着するまでに3つの滝を見ながら登っていきます。
階段状の長い滝。
オルデサ渓谷に出るまでの5kmくらいは林になっていて、展望はあまりありません。
渓谷内に近づいてくると、徐々に林を抜けて岩山が見えてきました。
ここからがオルデサ渓谷のもっとも奥のエリア。トレイルは整備されていて、平らな土地に綺麗な小川が流れ、鹿やマーモットが悠々と生活しています。
これは往路の写真なので朝9:00くらいかな。
他には2組くらいしかいなくって、天国みたいな場所だなあと感動。でも帰り道の昼過ぎには学生の遠足なんかもきていて、結構混み合っていました。静かなトレイルが好きな方はやはり朝早くに出発するのがおすすめ。
見上げた岩山からは、細い滝がいくつも流れ出しています。
小川沿いに平らなトレイルを歩いて行くと、大きめの滝にぶつかります。ここをゴールにしている人も多いみたい。帰り道に通り過ぎた時には多くの人がこの滝で休憩をし折り返していました。
渓谷内も十分に綺麗だけれど、私たちはゴリッツ小屋がある渓谷の上部まで、この滝からさらに登っていきます。
山の斜面にはくねくねと細いトレイルがあって勾配はそんなにきつくありません。
徐々に広けてくるオルデサ渓谷の全貌、うつくし!
この渓谷は本当にマーモットが多い。うさぎぐらいの大きさのマーモットが穴から顔を出していたり、岩場で日向ぼっこをしていたりします。
先ほどの滝から登ってくること1時間半くらいでゴリッツ小屋に到着しました。
ゴリッツ小屋の標高は2,160m。山小屋泊は混む時期は予約が必須のよう、でもこの時期はかなり空いていそうでした。ゴリッツ小屋近辺でのテント泊も可能ですが、この国立公園内のルールで「テントは日が落ちてから日が登るまでの間しか張ってはいけない」と公式ホームページに記載がありました。
渓谷内はぽかぽかとちょうどいい陽気だったけれど、ゴリッツ小屋まで上がってくると強い風が吹いていてかなり寒く、日が暮れるまでテントを張らずに屋外で待つのは結構きつそう、特に春先はかなりの防寒対策が必要です。または日暮れギリギリに登ってきた方がいいかも。
ゴリッツ小屋より奥は岩場にうっすらと雪が積もっているのが見えました。
キャンプ場で作ってきたサンドイッチを食べながら、ゆっくり景色を楽しみます。
名残惜しいけれど、雲も増えてきたので下山を開始。
帰りは川の南側を歩き、開けた場所では岩山を振り返ります。奥にあるオルデサ渓谷のあたりは随分分厚く雲がかかってきています。このまま天気が持つといいけど。
午後15:00頃には駐車場に戻ってきました。
オルデサ渓谷は想像以上に綺麗な谷で、すごく気持ちのいいハイキングでした。
宿泊したキャンプ場。
オルデサ渓谷の玄関口、トルラ=オルデサ(Torla-Ordesa)から、トレイルヘッド(オルデサ駐車場)の間にはいくつものキャンプ場があります。
私たちは、トルラ=オルデサよりも手前の小さな村オト(Oto)にあるキャンピング・オト(Camping Oto)に宿泊しました。
到着翌日は一日中雨が降りキャンプ場から出られず、オルデサ渓谷をハイキングした日も宿泊したので合計3泊滞在しましたが、ここは静かで広々したいいキャンプ場でした。宿泊料金は1日19€。
いい感じに日よけにもなる木が生えていて、
大きなトイレ・シャワールームの隣には屋根付きのピクニックスペースもあります。
雨が降った時に、このスペースがあるかないかは大きな違い。
Wifiはカフェ兼レセプションスペースでしか使えないけれど、ここのカフェでは1.4€で生ビールを飲むことができます。ハイキングの後にキャンプ場で安く生ビールが飲めるなんて、超魅力的!
オトの村はとても小さくてのどかです。
この村には売店も食堂も何もないけれど、1kmくらい離れたところにある村ブロト(Broto)にはレストランやホテルがあり、いくつかの小さな商店でお酒や食材の買い出しも出来ます。
大きさやお店の数は、トルラ=オルデサとブロトは同じくらいの感じなんじゃないかな。
オト・キャンプ場から数百メートルのところに大きな滝もあったりして、いいところでした。
パンプローナで買ったお酒達。
私たちはサン・セバスティアンから、このエリアに来たので途中のパンプローナ(Pamplona)で買い出しを済ませて来ました。
牛追い祭りで有名なパンプローナは、ナバーラ州の古都。そしてナバーラ(Navarra)といえばワインの名産地です。ここのワインショップにずらりと並ぶのは全てナバーラのワイン。
ワクワクする!
5€以下で買えるワインを数本購入し、ピレネー山脈の麓での楽しみに持ち帰りました。
大満足だったオルデサ・モンテ・ペルディド国立公園エリア。
次はポセツ= マラデタ自然公園でのハイキング(多分すごくマイナーw)です。
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