がっかりの忘れ物。アイスランド・ロイガヴェーグルトレッキング【初日】

December 27, 20182,621 View

2018年8月17日〜20日、アイスランドのハイランドにある全長約55kmのロイガヴェーグルトレイルを歩いてきました。

私たちの当初の計画ルートはこれ。

  • 1日目 Þórsmörk → Botnar (15km)
  • 2日目 Botnar → Hvanngil → Alftavatn (15km)
  • 3日目 Alftavatn → Hrafntinnusker (12km)
  • 4日目 Hrafntinnusker → Landmannalaugar(12km)

でも初日の夕方に忘れ物に気がつき、4日も山の中にいられないかもと計画変更、2・3日目の行程を一日で歩き切ることに。重たいバックパックを背負っての27kmはキツかったです。今回はトレッキング初日の話し。

スタート地点 Þórsmörk へ

ロイガヴェーグルトレイルを歩く人のうち、標高600mのランドマンナロイガル(Landmannalaugar)から歩き始めて、標高200mのソルスモルク(Þórsmörk)までを縦走するトレッカーが95%なんだけれど、トレッキング終了日にどうしてもランドマンナロイガルの天然温泉に浸かりたかったので、逆ルートをとりソルスモルクをスタートすることにしました。

なので初日はまずレイキャビックのキャンプ場をバスで7:15amに出発して、ソルスモルクへ向かいます。

(トレイルヘッドへのアクセスの話はこちら。→ アイスランド・ロイガヴェーグルトレッキング【準備とアクセス編】

バスは20人くらいの観光客が乗車していましたが、一緒にバスに乗った人たちのうち、ソルスモルクからランドマンナロイガルを目指すトレッカーは私たちのみでした。
天邪鬼ルートをとった自分の責任だけれど、ちょっと心細い。

他の人たちはソルスモルク近郊のトレッキングのみ、またはハイランドエリアに数時間だけ滞在してレイキャビックにトンボ帰りする様子。

Þórsmörk → Botnar (15km)

12:00に到着したソルスモルク(Þórsmörk)は曇天、そして時折雨がぱらついていました。

歩き出して1時間ほどで出る、最初の川。

私も夫も歩き出したばかりで元気一杯だけれど、ランドマンナロイガルから歩いて来た人たちにとってはすでに4日目のトレッキング、この日は朝から天気がすぐれなかったのでみんな疲労の色が濃い目です。

ソルスモルクから近いこの川はトレイル上にある渡渉ポイントで一番川幅がありました。
川のあまりの冷たさに渡っている途中で涙と鼻水が止まらなくなり、そんな身体の反応に、渡りきった瞬間に私たちは爆笑。

まだワクワクしていたので笑ってすんだけど、逆ルートのトレッカーは疲れずぎていつまでも渡渉する決断ができずに河岸をウロウロしたり、全てどうでもいいかのように靴のままザブザブと渡ってしまっている人も。

これからのトレイルが恐いような、楽しみなような感情が入り混じります。

それにしても二人とも荷物をたくさん持ちすぎです。
ありったけの防寒具、テント道具や雨具、そしてトレッキング中の素晴らしい場所に一日くらい延泊しても平気なように食料は多めに持っている他、もちろんお酒も担いでます。普通もっと荷物は小さくまとまるはず。
そして余計なものまでいろいろ持っているのに、かなり大切なもの、忘れちゃってますからね。

山に覆い被さる巨大な氷河、その氷河が削ったのであろう渓谷。

道中、生き物の気配のまるでない苔むした平原が広がります。

雨風は徐々に強くなって遠くは白く霞んでよく見えないけれど、足元に広がる苔や小さな野花はきらきら輝く雨粒を纏い、爪ほどの大きさの色鮮やかなキノコが生き生きと成長中で妖精の住処のようです。

頭の中ではBjörkがエンドレスで流れて、ああこれがアイスランド!笑

山小屋 Botnar で忘れ物に気がつく

寒い雨風の中、登ったり降ったり歩くこと4時間ほどで、今夜の寝床、山小屋Bontar が見えてきました。

もう17:00も近く、8割がた埋まっているキャンピンググラウンドの中に空いているスペースを見つけて荷物をおろし、受付で支払いを済ませます。

支払いをすると日にちが書かれたタグやシールを渡されるので、それをテントに貼り付けておくシステム。

そして土砂降りの中なんとかあまり濡れないようにテントを立てて、実は数時間前からちょっと頭によぎっていたこと「クッキングガスストーブのカシャってはめる奴って持ってきてるよね?(嫁)」を、夫に訊ねたところ「俺は見てないよ」って。

え!ちょっとそんな気がしたし!

アウトドア中でも温かくて美味しいものが食べたい、と食い意地の張った嫁の持ってきている食料は、パスタやインスタントラーメンがメインで、ドイツの快適アパートメントで作り置きしたミートソースや、焼豚や、味付け卵まで持ってきているという用意周到さだったのに。

下のガス缶の部分だって、レイキャビックキャンプ場のフリーボックスにいくらでもあって、残りガスが半端なものばかりだからと欲張って3つも持参しているのに!

ガスが使えないとは!!

今朝の出発前、レイキャビックキャンプ場での様子(写真ぶれぶれ)。

時間配分を間違えて超慌てています。この時に置いていく荷物に間違えて入れてしまったよう。。

バックパックの底までひっくり返し、受付に売っていないか確認し、周りに借りられそうな感じの人がいないか見回してがっくりしたあと、水にインスタントラーメンを浸して夕飯です。

水が冷たすぎるからか、全然ふにゃふにゃにならないインスタント麺、、そのままで食べるよりかは、と半分凍って味がわからないミートソースを添えて。悲しい。

まあ、言っても我々にはビールがある。
明日スタート地点まで折り返す可能性も考えていたけれど、ビールを飲んでいるうちに少しは元気になって、火が使えなくても今持っている食料を節約すれば2日半は何とかなるからとりあえず先を急ごうという結論に達しました。

冷たいものばかりで身体は冷え切ったままだし、まだ食べたりなくて空腹ではあるけれど、早々に寝袋にくるまって、不安な気持ちで何度も目を冷ましながら朝を迎えました。

夜中3時に目覚めた時に、水につけておいてインスタント麺(朝食用)。
2時間つけておいたら柔らかくなった。


薄暗いうちからテント内でテンションの上がらない朝食を済ませ、考えた末にパスタ1kgとガス缶二つ、インスタントスープは山小屋のフリーボックスに置いていくことにしました。

翌朝の快晴のBotnar。

キッチン小屋は風と雨がしのげるだけで、ガスがあったり水道があったりするわけではありません。トレイル中キッチン小屋はここ Botnar と、ランドマンナロイガル(Landmannalaugar)でのみ見かけました。
あと水道はもちろん冷水しか出ません。食器や鍋は水ですすぐ程度しかできないので油物はトイレットペーパーで拭き取るといいです。

キャンプ場にも陽が差し始めて暖かくなってきたら元気も出てきたし、すごく楽しみにしていたトレイルで、しかも快晴!張り切って出発です。

お腹は空いているけど(しつこいw)。

2日目に続きます。


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