ラダック地方レーから日帰りで行く〜スクーターでゴンパ巡り(ティクセ・チェムレ・へミス他)

November 26, 20192,754 View

レー到着翌日は、時刻表を確認しにバスターミナルへ行ったり、SIMカードを買うのに長い行列に並んだり、バイクレンタルの下見に行ったりと、レーの街中を行ったり来たり。高い標高に慣れていないのと、日差しの強さで、クラクラしながら雑用を済ませて、夜のうちに、翌早朝からレー南部にあるゴンパ巡りをするために、スクーターを借りておきました。

翌朝。この日に行きたい場所は、朝のプージャーの時間にティクセゴンパ(Thiksay monastry)、あとはチェムレゴンパ(Chemrey Gompa)と、へミスゴンパ(Hemis Gompa)、シェイゴンパ(Shey Palace)。

ティクセゴンパ (Thiksay monastry)

この日最初に向かったのは、レーの街から20km南に位置していて、中央ラダックでは一番大きなティクセゴンパ。ラサのポタラ宮を模して15世紀に建てられたティクセゴンパでは、今も100名ほどの僧が修行していて、毎朝6:00頃からプージャー(お祈り)が行われています。

何人もの人におすすめされたプージャーを見学する為に早起きしたんだけど、ゲストハウスのお母さんと立ち話してたら6時過ぎちゃった。間に合うかな。

レーの周辺の道路は、ラダック地方の他のエリアに比べてとても綺麗に整備されていて、小さなスクーターに二人乗りしていても全然大丈夫。

40分ほどスクーターを走らせて、丘の上に建つティクセゴンパが見えてきました。

正面に回り込むと、本当に大きい。

丘の中腹にある駐車場にスクーターを停車して、僧房の並ぶ坂道を登っていきます。

ゴンパの中は迷路のように入り組んでいて、一つ一つのカラフルな入り口はとても小さい。修行の場なので、鍵がかけられている扉も多く、一般に公開されている場所は数ヶ所のみです。
靴を脱いで、薄暗い本堂の中に静かに入ると、まだプージャーは行われていました。

邪魔にならないように壁際の席にそっと腰を下ろし、もう2時間近く続いているだろうお祈りの歌を聞きます。厳かな、というよりもっと日常的でラフな雰囲気。

ティクセゴンパで、この時プージャーを行っている僧侶の数は多くなかったけれど、5歳くらいのちびっこ僧侶も数人参加していて、居眠りしてる子や、いたずらして怒られる子も。
ラダック地方で初めて聞くプージャーは寝起きの身体と心に滲みまくって、感動を共有したい、と、振り返ると涙している夫が。えぇ!とちょっと驚いたけれどもらい泣き(笑)。

本堂の奥には、修復中の壁画やたくさんの神様やお札。ダライ・ラマの写真も至る所に飾られています。

僻地の荒涼とした土地に建てられた、立派なゴンパ。ラダックの人たちにとっては、象徴であり、生活の場であり、心の拠り所だろうな。

もちろんキリスト教会よりも、もしかすると日本の寺院よりも、チベット仏教寺院は心がとても落ちつく。

見学させていただいて、ありがとうございました。

チェムレゴンパ(Chemrey Gompa)

ティクセゴンパを後にして次に向かったのは、チェムレゴンパ。

レー・マナリハイウェイを20kmほどさらに南下し、分岐のカルー(Karu)で朝ごはん。
頼んだテントゥクは、粉を溶くインスタントのスープを使っていてあんまり美味しくなかった、残念。

カルーからは東に伸びるパンゴンレイクロードを進みます。この道をずーっと行って大きな峠を越えるとパンゴン湖。

前方に目指すチェレムゴンパが見えてきました。何あの、岩山に張り付くような素敵なゴンパ!

興奮しながら近づき、スクーターを停めて中へ。

期待していなかったんだけれど、チェムレゴンパでもプージャーの真っ最中でした。
本堂には、大勢の僧侶たちの、迫力のある祈りの合掌が響き渡っています。

近所に住んでいるであろう信者の方がぱらぱらとやって来て、チベット仏教の礼法である五体投地を数回繰り返して、祈りを捧げていきます。見学している外国人は私たちのみ。

2006年の冬、中国からラサ(チベットの都)に向かうバスから見かけた、雪の振る中、遠方から五体投地でラサを目指す信者の方の姿を思い出し、そして現在のチベットを思い、私も落涙。

祈りの歌を聞きながらいつまでもその場に座って、とりとめなくチベットのことや世界の平和のこと、今までの歴史やこれからの未来のことを回想していたい。そんな気持ちになりましたが、後ろ髪引かれながらも退室。

ティクセゴンパでは、30ルピー/人(45円)の外国人入場料がかかったのですが、チェムレゴンパは入場料がなかったので、入り口付近のお札の乗ったテーブルにお布施を置いて来ました。

へミスゴンパ(Hemis Gompa)

続いて目指すのは、へミスゴンパ。パンゴンレイクロードの来た道を戻って、カルーの村から西へ。

大きな丘の上に建つへミスゴンパまでの登り道は、周囲の地層がダイナミックに見えて気持ちがいい。

時間も正午に近かったからかな、到着した駐車場には何台ものチャータージープが停まり、へミスゴンパはちょっとツーリスティックな雰囲気。

スクーターを停めて、駐車場からの坂道を登っている最中、「財布を落としたかも」と夫。

ズボンのチャックの付いたポケットにいつもお財布を入れているんだけど、そのチャックが開いていたらしい。チェムレゴンパで最後にお財布を取り出したんだから、チェムレゴンパからへミスゴンパのどこかにあるはずだ、と急いでUターン。

半分くらいの確率で見つかるんじゃないかなーと甘く見積り、目を凝らしながらチェムレゴンパまで戻って、僧侶の方に届いていないかを聞き、カルーのポリスチェックにも寄って、道路をまじまじ見ながら再度へミスゴンパまで帰って来たけれど、見つかりませんでした。

その後、へミスゴンパの入場チケットを売っている僧侶の人に、事情を説明して、見学させてもらえないかを聞いてみたけれど「ノー!」と強めに断られてしまった。入場料は100ルピー(150円)/人。
ちょっとやな感じ!

「念のために聞いてみる。」と言う私に、「入れてもらえる訳がない」と現実的な夫。
実際その通りだったんだけど、みんなもっと優しくてもいいんじゃないか、と悲しい気持ちです。さっきまで世界は優しさであふれていたというのに。

まあ、そもそもちょっとツーリスティックだなと思っていたし、別にいいし!

失くしたお財布の中身は7,000ルピー(13,000円)くらいと、よく使うクレジットカード2枚。

今年の旅も残すところ3週間になっていたので、大ごとにはならなかったけれど、キャッシングのためのメインカード、セディナを落としてしまったのが痛かったな。このあとは予備の楽天カードでキャッシングしてたんだけれど、毎回216円のATM手数料が取られていました。手数料が取られるなんて知らなかった、とほほ。

前半は絶好調だったんだけれどなー。
疲れているときは何かやらかしがちなんだからより注意しなきゃって、何度も何度も学んでいるはずなのになー。
このあとレーの警察署にも行ったけれど、お財布は出て来ませんでした。せめて誰か地元の方に拾われて有効活用されてるといいな。

シェイゴンパ(Shey Palace)

チェムレゴンパは見学できなかったけれど、レーへの帰り道の途中にあるスタクナゴンパ(Stakna Gompa)とシェイゴンパに寄ってみました。

スタクナゴンパ、遠目から見て人の気配がない、と思っていたけれど、全ての扉は閉ざされていて見学はできませんでした。

次に寄ったのは、こじんまりとしたシェイゴンパ。

本堂は50ルピーの入場料がかかるので入れなかったけれど、丘の上が城跡地になっていたので、そこまで登ってみました。

少し離れた大地には、小さくて真っ白なストゥーパ(仏塔)がたくさん建ってる。

後半は、あまり盛り上がることなく、これにてスクーターでのゴンパ巡りは終了。

今回レーの街中で借りたスクーターの料金は600ルピー(900円)/日で、前夜に借りてこの日の夕方に返却し、1日分の料金でした。
ラダック地方で多くの人がレンタルする、かっこいい400ccのオフロードバイクの言い値は1,000ルピー/日、数日借りれば安くなりそう。

私(嫁)は10代の頃に、バイク旅に憧れて中型免許を取ったけれど、車・バイク共に18年もののペーパードライバー。夫は車の運転はとても上手だけれど、バイクはスクーター以外運転したことがありません。
ラダック地方では、このあと、オフロードバイクで旅できたらすっごく楽しいだろうなあと何度も何度も思ったし、バイク旅している人がめちゃ羨ましかったです。
チャレンジしてみようかなと考えもしたけれど、道路の状況が良くないので、転んで怪我をしている人やマシントラブルの人を、たくさん見聞きし、私たちはこの日のスクーター旅だけにしておきました。

逆にオフロードバイクに慣れている人で、少しでもチベット文化に興味がある人や、自然が好きな人はラダック地方を旅するべきだと思う。

スクーターでのゴンパ巡り、とても面白かった。運転ありがとう、夫。お財布は落としちゃったけれど!

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