【デリー郊外で暮らす1週間】ストリートグルメと、インドでの生活、ゴミや飲料水のこと

March 04, 2020

2019年8月末の1週間、旅の締め括りに滞在したインドの首都デリー。今回のインド旅のメインはラダック地方だったので、最後にデリーで美味しいインドカレーをたらふく食べてから帰国しようという目論みです。

デリーに滞在するのは3回目で、過去2回は観光の中心地オールドデリーの安宿に数泊ずつだったので、今回は暮らす人々の様子が良くわかるローカルエリアにしようと思い、Airbnb で郊外のアパートメントを予約してやってきました。そしてそこは想像以上のローカルぶりで、本音を言うと、デリーには絶対に住めないし住みたくない、と思ってしまった(笑)
でも、強烈な環境の中で暮らしている人たちは、逞しくてとても優しかった。

デリーで暮らしたエリアはこの辺。

暮らしたエリアの様子

暮らしたアパートメントの目の前の通りはこんな感じで、常に車とリキシャとバイクが無作為にクラクションを鳴らしながら通行しており、排気ガスと騒音で到着した初日からひどい頭痛に襲われました。

学生の下校時間から夕方にかけて、カオス度は増します。

たった1週間しか滞在しない旅行者に、ローカルの人もこんなこと言われたくないだろうけれど、まじで人口が多すぎる。

夜になったからと言って静かになるわけもなく、陽が暮れてから開始する屋台に群がる人々、特に何をするわけでもなくぶらぶらする男性たち。

用水路にはゴミが氾濫し、ゴミ集積所に群がるヤギや犬や牛や鶏たち。

インドは大好きなので悪意は全くないけれど、居住環境としての秩序が崩壊しすぎていて、住んでいる人たちがかわいそう。

慣れているのか、おおらか過ぎるのか、または諦めてるのか、みんな当然のように逞しく日常生活を送っています。

お母さんが大きなゴミの山に座り込んでお喋りしながら分別の仕事をし、それをお父さんが自転車に乗せてどこかへ運び、小さな子達はゴミの散乱した通りで裸足で遊んでいたり。通りに面した部屋のドアが開け放たれていて、見るともなく目に入った4畳ほどの暗い空間には驚くほどの(多分10人近く)人が折り重なるように横になって、小さなテレビの画面を見ていたり。民家の間の小さな路地も、人と動物だらけで、これ下水とかのインフラどうしてるんだろう。

ヤギはなんだか自由で、とても楽しそうだ。

食材を調達するために、毎日のように通った市場。

野菜は街角に小さな屋台がたくさんあってどこででも買えるけれど、鶏肉や魚が欲しい時は市場に行くしかなくて、ここもまた各国で訪れた市場の中でもトップレベルにカオス。清潔とは言い難く、薄暗く匂いもキツめ、鶏の羽は舞っているし、魚が跳ね上げた水がかかるし、失礼な話だけど、ちょっと汚れる覚悟で行く必要があります。

籠から飛び出て地面に落ちた魚、なんだか泳いでいるように見える。

食い意地のためには、怯んでいる場合ではないのでお金を握りしめて突入。
鶏肉は140ルピー/kg(210円)、エビは300ルピー/kg(450円)、魚は200ルピー/kg(300円)前後で、トマトやじゃがいも、玉ねぎやゴーヤなんかの野菜は基本的には何を買っても40ルピー/kg(60円)。

スリランカ以来1ヶ月ぶりのエビで晩酌。

そういえば、日本でもよく売られている安いバナメイエビってインド産なことが多いですよね。日本の自宅から近いスーパーマーケットだとセールの日で100グラムで100円なので、インドで買うのの倍かあ。そう考えるとインドそんなに安くないな。

インドの美味しいストリートグルメ

首都デリーなので、美味しい有名な高級インド料理屋さんも数多くあると思うんだけれど、今回主に食べたのは、暮らしたローカルエリアで、ローカルの人たちがよく食べているストリートフード。

小さな移動式の窯をのせた屋台で食べれたのは蒸しパンと、パンチの効いたダルカレー。名前は不明だけれど、とても美味い。そしてお値段なんと20ルピー(30円)。

ご近所に毎日屋台を出す親子が焼いているのは、全粒穀物でできた香ばしい丸いパン、にこれもまたタイプの違うダルカレー。これも20ルピー(30円)。

外人が食べに来るのも珍しんだろうけれど、みんな席(屋台の後ろに移動式のベンチが2〜3個ある)を譲ってくれたり、紙ナプキンをくれたりと優しい。そして観光客相手の商売をしていないインドの人達は控えめで、私たち外国人にとてもジェントルです。

チキンビリヤニは量り売りで100ルピー/kg(150円)、量の調整ができるので便利。

私の好きな軽食は、この丸い薄皮のお煎餅のようなものに、ポテトペーストと様々なスパイスとヨーグルトをその場で入れてくれるこれ、ダヒプリっていうのかな。

夫が一番好きなのはプーリー 。毎日のように食べていました。

NETFLIXのドキュメンタリー「ストリート・グルメを求めて」っていうシリーズが好きで、インドのデリー編は再度見返して、Google map で探し出しそのうち「チャート」と「チョーレ・バトゥーレ」で紹介されていた屋台には実際に訪れるというオタクっぷりを発揮したんだけれど、訪れた屋台はどちらもお休みでした。残念。

「チョーレ・バトゥーレ」を出すお店のそばに、同じ料理を売るお店があったので食べてみました。スパイスの濃厚なマトンカレーで、40ルピー(60円)。

夕方になると軒を連ねるのはタンドリーチキンの屋台。

借りていた部屋のすぐ真下のタンドリーのお店がいつも大繁盛で、何度もお持ち帰りしました。タンドリーチキンとビールの相性が素晴らしすぎる。

チキンのもも肉の大きな串で130ルピー(200円)、ひき肉のケバブだと60ルピー(90円)。

ローカルエリアでは、屋台や軒先だけの小さなカレー屋さんが多くて、その辺の簡易椅子で食べるか、テイクアウトが一般的です。借りていた部屋のホストにはたくさんのデリバリーサービスのチラシをもらったので、配達してくれる食堂も多そう。

パッキング技術が高く、インドカレーのお持ち帰りもよくしていました。

多少の差はあれど、どこで食べても美味しいインドのスパイスカレー。

デリーには住めない、けれども、やっぱりインドが大好きな理由の一つはインドのごはんだ。

暮らしたアパートメント

2019年8月22日〜30日の1週間暮らしたアパートメントは、Airbnb の手数料込みでデリーでも安めの1泊1,800円。同じ階のすぐ隣の一室に60代のホスト夫妻が暮らしていました。

洗濯機も、エアコンも、WiFiも、ホットシャワーも大きな問題はなかったです。ただマナリ、レーに引き続き、ここでも頻繁に停電しました。

停電時は予備電源が稼働するんだけれど、予備電源で動くのは部屋の最低限の照明と冷蔵庫だけで、クーラーは使えず、でも騒音と排気ガスが酷いので窓を開けられないのが辛い。ビジネス街は停電しないんだろうけれど、数時間とはいえ首都でも頻繁に停電があるのかー(涙)

玄関から続くリビングは窓がなくて薄暗かったですが、寝室からはベランダに出ることができて、アパートメントの裏側は緑のある小さな公園になっていました。

公園にも大勢の人がいる、それがインド。もちろんジョギングできるような空間はどこにもない。

インドのゴミと飲料水のはなし

いろんな国で滞在してみて最近気にかかるのは、ゴミと飲料水のこと。

ゴミ処理はスリランカがいいなと思ったのですが(その時の話 → 貸切プール付き別荘と野生生物、自然豊かなヒッカドゥワで考えるゴミのこと)、自国のゴミを先進国が途上国に輸出したりもしているので、街が清潔だからいいとか、分別回収処理できてるからいいという単純なものではありません。日本だってプラスチックゴミを中国やアジアに輸出してきたわけだし。

インドは捨てる側はゴミの分別をしないけれど、それを回収した人達が細かく分別しているようでした。その後どのように処理をするのかわからないけれど、分別したゴミは白い袋に入れられて適切な場所へ運ばれていきます。

分別済のゴミ
運ばれていくゴミ

インドのゴミの集積所と、そこで何かを回収する、貧しそうには見えない女性。政府がよくなくても国民のタフさに感心する。

そして、飲料水に関してもなかなかに個性的だったインド。

現地の人が飲んでいるのなら水道水を飲んじゃう派で(自己責任ですw)、海外滞在中は借りる部屋のホストのやり方に倣って暮らしています。

水道水を濾過するフィルター付きのボトルが置いてある部屋もあるけれど、在住の方が「水道水は飲めない。」と言うことはほとんどなくて、ここ数年で滞在した国のうちでは、モロッコとキエフ(ウクライナ)、モスクワ(ロシア)くらいだったんじゃないかな。ヨーロッパやアメリカやカナダ、中央アジアではほぼどこでも水道水で暮らしてきました。水をたくさん飲むので、買ってくるのは大変だし、ペットボトルゴミが気になるし。

インドは、今回滞在したエリアにはどこも、政府から飲んでも大丈夫と言われている蛇口(水道水)と、そうじゃない蛇口があって、ガバメント・ウォーターと呼ばれる政府の蛇口は使える時間帯が限られていました。水を無駄遣いしないための工夫なんだろうな。

マナリとラダック地方では、客室のバスルームの蛇口は飲めない水だったけれど、飲料可能な蛇口からタンクに水を貯めてあって、宿のスタッフに言うと、そこから飲料水を汲んでくれていました。

水道のないところで暮らす貧困な人たちには、タンクに入ったガバメント・ウォーターが配られているのもいろんなところで目にしたし、デリーの街中では飲料水を無料で飲めるエリアもありました。

デリーの貸切アパートメントの、政府公認の蛇口が使用できたのは朝と夜のそれぞれ2時間で、ホストのお父さんに聞くと、なぜか苦い顔で、「政府と業者どちらを信じていいかわからないけれど、飲料水は業者の配達するリフィルウォーターを購入してる。」と言うので、デリーでは久しぶりに購入したお水で生活してみました。

もしかするとただのガバメント・ウォーターなんでは?と思いもしたけれど、リフィルウォーターだったらゴミはそんなに気にならないし。

10リットルくらいの大きさのボトルが80ルピー(120円)で、若者が部屋まで運んできてくれます。

良くも悪くもカオスなデリーを堪能して、2019年の旅が終了です。
文句を言いながらもまた戻ってきちゃうんだろうな、それがインド。

すでに今年一発目の航空券を握りしめているので、早く収束に向かって普段の生活が戻ってきて欲しいと願うばかりの最近の日々です。
とりあえず、日本帰国後の秋は、久しぶりに北アルプスで登山をし、そのあとに富山のお試し住宅で暮らしたので、そのことを書く予定!

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