レーから公共バスで行く〜1泊2日パンゴン湖とパーミットILPのこと

February 18, 2020

ラダック地方を目指す旅人なら、誰でも知っている有名観光地パンゴン湖へは、2019年8月15〜16日の1泊2日で、レーからの公共バスを使って出かけてきました。

パンゴン湖は、標高4,250メートルの高地にあって場所は中国とインドの国境付近、大きさは琵琶湖と同じくらいです。2009年に公開され世界的にも大ヒットしたボリウッド映画『3Idiot(邦題 ; きっと、うまくいく)』のラストシーンにも使われ、ラダック地方の中ではそれなりにツーリスティックな場所でした。それでも6,000メートル級の山々に囲まれた、天に近い場所にある湖の蒼さは伊達じゃなく、行けて良かった。

パンゴン湖へはツアーで行く人が多い様子だけれど、公共バスで行けば、バス料金往復1,800円と朝食夕食代こみの宿代900円、その他の食事200円くらいで、一人2,900円で行って帰ってこれました。

レーからパンゴン湖へ

まずは早朝、お馴染みのレーのローカルバスターミナルへ。パンゴン湖への公共バスは、火曜・木曜・日曜日の朝6:30にレーを出発するので(7月8月のオンシーズンの時のみのようです)、6:00にはバスターミナルへ到着しました。

前日から席番号入りのチケットを購入できたので、すでにチケットは入手済み。この日は7割程度の席しか埋まっていなかったけれど、日によっては満席になるようだし、座席を選びたければ前日に買ったほうがいいかな。座席は進行方向左手の方が景色がいいです。バス料金は片道590ルピー(900円)/人。

タイムテーブルより遅れること30分、7:00にレーを出発したバスは、30分ほど車を走らせてカルー(Karu)の町で朝食休憩。その後、先日スクーターで訪れたチェレムゴンパを通り過ぎて、パンゴン・レイク・ロードを突き進みます。

車道では世界で3番目に高い、という噂の峠は、雨雲が立ち込めており、軍事用の大型トラックで大渋滞していました。

のろのろと峠への坂道を登って、トイレ休憩をし、峠の反対側を降っていきます。それほど広くはない車道、崖の下には数台のトラックが落下したまま放置されているのが見えて、怖い。

峠越えが終わると、丘に囲まれ、川が流れ、ゾッキョや羊の放牧された穏やかな景色が広がります。青空も見えてきた。

バスを走らせ始めて7時間ほど経過した頃、白茶けた前方の景色の中に、突然蒼く光り輝くものが。今まで寝ているように静かだった、全乗客のうち半数ほど、10人くらいの観光客が「あれが!?」とどよめいて立ち上がりお互い確認し合うほどに、唐突に現れたパンゴン湖。

寒いからみんな嫌がって、写真を撮るのに窓を開けることが許されなかったんだけれど、パンゴン湖が近くなったら窓だけでなくドアもいつの間にか全開。

パンゴン湖到着

出発からおよそ8時間かけて、午後3:00頃パンゴン湖の湖辺にあるスパンミック村(Spangmik)に到着。バスの運転手さんも、今日はこの村に宿泊し明日同じバスでレーに戻る様子で、明朝は8:00に出発するよー、とのこと。

Bookig.comに掲載があるのは料金が高い宿泊施設ばかりだったので、ここでは宿の予約はしていません。湖に近づきながら、バスルームも併設のラグジュアリーな大型テントのような施設に何軒も値段を尋ねたけれど、どこも夕食と朝食が付いて、2人で4,000ルピー(6,000円)前後と予算オーバー。

結局、バスが停車して最初に聞いた、バス停近くの「DISKIT CHANGSAT HOME STAY」に宿泊しました。料金は夕食と朝食が付いて、2人で1,200ルピー(1,800円)。

部屋にはダブルベッドと小さな机があるのみ、でも窓が大きくて気持ちがいい。

この部屋は専用のバスルームが付いていてシャワーヘッドもあったので、「シャワー浴びれるの?」と聞くと、バケツでお湯を持って来てくれるって。顔や足を洗うのに、夕方にお湯を一杯分もらえるようにお願いしました。

荷物を置くとさっそく湖へ。
大きくてとても青い。周囲の山々も、人工物がひとつもなくて神秘的。

湖の東半分は中国なので、あっちの方は中国だと思う。

でも到着が午後3時で、宿を決めてから湖に向かったこの頃の時刻は4時頃。バスから見えたパンゴン湖の方が青く見えたので、綺麗な青色は正午から3時くらいがベストかもしれない。翌朝早朝は湖の南側の山に陽が当たっていて、湖は普通の色をしていました。

パンゴン湖周辺で特にやれるアクティビティーはないし、セルフィーにも全く興味のない私たちは、湖周辺を散歩して、人が少ないところで音楽を聞き、景色に思いを馳せる。

インド人旅行者が多くて、みんなセルフィーが大好き。

夕方近くは、宿の周辺を散歩していたんだけれど、屋根やら壁を破壊されたような宿泊施設がたくさんありました。レーに戻ってから何人かの人に聞いたところ、汚水を湖に流す、などの違法行為をしていた宿を取り締まり、政府が壊したという話でした。インド政府、武力行使だな(笑)

宿での夕飯はセルフサービス。ベジタリアン料理だけれど、おかずも2〜3種類あって想像よりも豪華でした。

パンゴン湖からレーへ帰る

翌朝、朝食の前にもう一度散歩。静かにただそこに佇むパンゴン湖。

そして周囲にはソーラーパネルと、剥き出しのバスルーム。

美しい大自然なんだけれど、テントを建ててこれから宿泊施設にするのか、政府からの取締で工事途中になってしまったのか、便座と洗面台のみが並ぶシュールな景色が各所で目につきました。

朝食は、甘いチャイとホットケーキ。宿泊したゲストハウスで、メインで働いていた女性は、前日レーからパンゴン湖へ向かうバスで一緒でした。レーまでは買い出しに出かけていた様子。お世話になりましたー。

出発時刻の8:00少し前のバス停には、前日同じバスに乗っていた観光客がぱらぱらと集まり始めていて、みんな自然に昨日と同じような席に座って、レーへと出発です。

帰路は、迷惑に思う人もいるだろうなぁと思いながらも写真を撮るときだけ窓を開けさせてもらってました、だって前日よりも天気が良くてとてもきれな景色。

進行方向の何もない場所に、数台のタクシーやバイクが停車し小さな人だかりができており、乗車していたバスも停車。

なんだろうと外に出てみると、マーモットでした。

普段見かけるものよりもさらにひと回り大きいような。すごく人に慣れていて、お菓子たくさんもらってました。人間に寄ってくる野生動物って、ちょっと怖い。

その後は峠越え、昨日と同様に前後はトラックで大渋滞。峠越えの道路は、路面状況が悪くなるから仕方ないんだろうな。

崖下には、落下したまま放置されたトラック。

我々の乗ったバスは無事に峠を越えて、村の点在するレー近郊のエリアまで戻って来ました。

ただいまー、そしてお腹すいたー!ということでレーのバスターミナル近くの食堂で、ダルバート。田舎に行くと食料が不十分で、レーに帰ってくるときはいつも腹ぺこなんです。

ラム肉ダルバートが100ルピー(150円)と、レーの町中に比べて、バスターミナル付近の食堂は安い。

パーミットILPのはなし

ラダック地方では、特定のエリアに入るときは、観光用のパーミットILP(Innner Line Permit)が必要になります。
エリアとしては、パンゴン湖、ヌブラ渓谷、カルドン・ラ、ツォモリリ、ダー、ハヌ、マン、メラック、ニョーマ、トゥルトゥク等で、パーミットは旅行代理店で申請をします。

必要な物は、パスポートのみ。書類上は2人以上のグループで申請する必要があり、個人の場合は出発前日の午前中までに申請した方がいいみたい。私たちは2人だったので、出発前日の昼申請で当日の夕方に受取ができました。

全エリア共通のパーミットの申請料金は有効期間によって変わり、1人600~1400ルピーで、2019年時点での最長期間は15日間でした。各エリア毎にパーミットの申請をすることもでき、そうすると最長で28日間滞在可能らしい。

私たちが行った場所では、パンゴン湖とヌブラ渓谷でILPが必要だったんだけれど、まずはパンゴン湖に行くために、3日有効のパーミッドを600ルピー/人(900円)で作成してもらい、その後ヌブラ渓谷に行くために延長料金として、追加で200ルピー/人(300円)の支払いをしました。
最初から7日間有効のILPを申請していれば、700ルピー/人。

各ツーリスト用ILPチェックポイントで、申請用紙の提出が必要になるので、あらかじめ2〜3部コピーが必要です。

ILP延長の申請をしに行ったら、旅行代理店のお母さんがカレーライスをくれた。
ラダックの人たちはみんな優しいなあ。

再びレーで休息をとり、次はラダック地方最後の地、ヌブラ渓谷へ向かいます!

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