インド入国【マナリ10日間滞在記】グルメまとめと、お酒や生活のこと
7月24日、2013年以来6年ぶり、4度目のインドへ。
過去のインド滞在期間を合計すると半年強で、私たちが訪れた諸外国の中で一番長い時間お世話になっている国インド。
インドは大好きか大嫌いに別れるとよく言うけれど、私たちは”大好き”なグループに入るんだろうな。度量とカオスが桁外れで、疲れるけれど興味が尽きない。晩年はインドの田舎で暮らそうと10年前は真剣に思っていたし、今もほんの少しだけ思っています。
今回のインド旅の目的地は、北インドのジャンムー・カシミール州にあるチベット圏、ラダック地方。2008年春にもラダックを目指し、雪で閉ざされた陸路ルートの開通をマナリで待っているうちに時間ぎれで行けなかった、念願の地です。
今回も陸路で目指す予定で、デリーに降り立った日に夜行バスに乗り、まずはマナリ (Manali)までやって来ました。そして11年半ぶりのマナリはちょっとひくほど何も変わっていませんでした(笑)。もう少し先進的になっていることを期待していたよ、、!
今回は、2019年7月25日〜8月3日の約10日滞在したマナリでの生活の話しです。
デリー(Delhi)からマナリ(Manali)へ
目指すラダック地方は、ハイシーズンであれば、デリー〜レー間のフライトが日に何本もあり、所用1時間半ほどと、アクセスし難い場所ではありません。
でも私たちは、標高3,500mにあるレーに飛行機で行くのは高山病が心配だったし、マナリからレーへの景色も見てみたかったので、今回、レー(Leh)へは陸路で向かいました。あと思い出深い土地マナリ、ダラムサラを再訪したかったし。
大好きなダラムサラ(チベット亡命政府がありダライ・ラマが住んでる)は、結果的に時間が足りずに今回は諦めたんだけれど。
この陸路ルート、デリー〜マナリ間のバス移動(所要14時間)と、次回書く予定のマナリ〜レー間のバス移動(所要20時間)の合わせ技をすると、フライト1時間半がどれほど価値のあるお気楽移動かがよく分かる、とーってもキツイ移動でした。もう二度とこのルートで移動したくない。
でも体力的に耐えられる年齢で、この過酷な移動を経験できて良かったです。
まずは、デリーからマナリへの移動(所要14時間)。
少しでも楽をしたくてフライトもあわせて色々なパターンを検討し、最終的には、バスの質が最も高そうだと思われる大手HRTC(Himachal Road Transport Corporation)を利用しました。
チケットは前もって公式ページからオンラインで購入したけれど、HRTCのバスは同路線を1時間に1本程度頻発していて、乗車したバスも空いていたので、バスターミナル「カシミリゲート(Kashmiri Gate)」で直前に購入できると思います。
私たちは22:30にカシミリゲートを出発し、13:00にマナリに到着する夜行バスを1,700ルピー(2,700円)で購入。
公式ページ → http://hrtchp.com/hrtc_info/
同じ路線を走るローカルバスや、小さな私営旅行会社が運営しているバスと比べると料金は倍以上しますが、ドライバーさんも交代可能なように二人いたし、シートも広くリクライニングも快適でエアコンもあり、飲料水を配ってくれたりと、ちゃんとしていました。
明け方のチャイ休憩。ちゃんとしたバスだったにも関わらず、疲れる国インド、到着半日ですでに数キロ痩せたんじゃと思うくらい疲労困憊。
予定通りに14時間かけて、昼過ぎにマナリ到着しました。
マナリでの生活
マナリは、それぞれ2〜3キロずつ離れた、インド人避暑地の”ニューマナリ” 、自堕落アート系ヒッピーの”オールドマナリ”、アウトドア好きの集まる温泉地”バシスト”と旅行者的には3つに別れています(完全に私感です)。
2008年にラダックへのバス待ちで3週間滞在したマナリ、当時は前半バシストに滞在し、私たちには珍しく友達がたくさんできて、後半は仲良したちとオールドマナリに引越しをしました。
勝手知ったるマナリ、今回の滞在にあたり Airbnb と Booking.com で広範囲にわたり部屋を探しまくったんですが、このエリアはキッチンのあるようなアパート形式の部屋はほとんど存在せず、ゲストハウスの掲載写真は盛られてる感満載で、途中で匙を投げ、結果ニューマナリのちょっと奥地に滞在しました。
100メートルほどののんびりとしたニューマナリのメインロードには、旅行会社やレストランやゲストハウスが並んでいます。
メインロードを一本裏に入ればマナリの人たちの暮らす雑多なエリアで、ローカル食堂、八百屋や肉屋もあって、外国人観光客向けのお店しかないバシストやオールドマナリよりも生活しやすく、エリア的には私たちのスタイルに合っていたと思う。
午前中のメインロードでは、明け方まで縄張り争いをしていたたくさんのワンコが、人目を気にせず爆睡。そして通行人はみんな我関せず。
マナリは自由で人懐こい犬が多くて、ジョギングしているとついて来ちゃうことも多々。
ゴミを燃やした場所で暮らす子犬、こうやって逞しく育つんだろうな。
犬だけでなく、ここはインドなので、牛や羊や馬もたくさんいます。
そしてメインロードの少し奥、ゲストハウスや食堂の合間には唐突に中規模のテント村があり、子供からお年寄りまで、家族大勢が暮らしています。
中ではテレビを見たり料理をしたりと、普通の住宅とさほど変わらない様子。
テント内は土足禁止にしていて、とても清潔に生活していました。
町中でも、貧しそうな家族がローカル食堂で携帯電話を充電しながら一皿を分け合っていたり、公共の水道から水を運んだり、メインロードで物乞いをしていたりはするけれど、特に治安の悪さは感じません。
滞在中、バシストとオールドマナリもジョギングで訪れてみました。
まずはバシストへ、道の悪さが半端じゃない。
ニューマナリからバシストに向かう途中の道は、昔はただの林だったと思うんだけれど、ゲストハウスとレンタルバイク屋さんが新しくたくさんできて少し雰囲気が変わってました。
2009年に公開されたボリウッド映画『3Idiot(邦題 ; きっと、うまくいく)』が世界的に流行って、主人公たちが通った、マナリ・レーロードをバイクで旅する人が増えたらしい(ずいぶん遅れて先日やっと見たけれど、とてもいい映画でした)。
山道を登り、到着したバシストの中心街は何も変わっていないように見えました。
オールドマナリへも。
前回宿泊していたゲストハウスは見つけられなかったけれど、よく通ったレストランや、歩いた道は以前と全く同じで、ちょっと驚く。
バシストもオールドマナリも小さな中心エリアはお店や民家がびっしり建つけれど、10分も歩けば、ハイキングできる自然があるところが素敵です。ニューマナリからだと山は少し遠いかな。
ニューマナリの美味しいご飯とお酒
マナリでは、チベット文化圏の料理と、インド料理が混在していてます。そしてヒンズー教圏とチベット仏教圏の入り混じった土地なので、ヒンズー教の強い州よりもアルコールはずっと手に入りやすい。
(分かりにくい地図、参照ください。)
インド料理
インド料理は、観光客に人気のレストランもローカル食堂も数ヶ所行って、どこで食べてもそれなりに美味しかった、でも「ここ!」という食堂には出会わなかったかなー。レーで仲良くなったインド人ご夫婦も言っていたけれど、スパイスたっぷりでこってりした、”リッチな” ザ・インドカレーを食べるならインド人的にもデリーが一番なんだって。
それでもマナリでも一通りのインド料理は食べられます。
夫が大好きなプーリーという揚げパンは、朝から午前中にかけてのメニュー。
定番メニューのタンドリーチキンは夜の食べ物で、夕方になると各インド料理屋さんが軒先にスパイスに漬け込んだチキンを並べ始めます。
カレーを食べたり、タンドリーチキンを買いに行ったりと、通ったインド料理屋はバスターミナルの入り口にあるこの食堂です(地図上①)。
ちょっと汚くて手狭だけれど、たくさんのチキンは丸ごと大量に下処理をしているし、スパイスベースのスープも数多くストックしていて、お客さんも多いし回転も早い人気店。バターチキンはハーフサイズ(240ルピー≒400円)でも、ふたり充分にお腹いっぱいになる、ナン(15ルピー)やチャパティ(7ルピー)は欲しい分だけその場で焼いてくれます。
インドカレー屋さんではないけれど、インドの軽食が食べられるこのカフェもよく行きました。メインロードの東側に位置する小さいお店の並ぶごちゃっとしたエリア(地図上②)にあります。
熱々サクサクのサモサを軽くつぶし、豆カレー(カナマサラ)をかけたものが美味、朝はポテト入りパラタが食べられて、どちらも甘いチャイととても合う。
チャイは10ルピー(15円)、サモサやパラタは20ルピー(30円)。
チベット料理屋
インド料理の他に、トゥッパやテントゥク、モモといったチベット料理は、観光客向けのレストランであればどこでも提供されています。
私たちが好きだったのは、例のごちゃっとしたエリア(地図上②)にある小さなチベット料理屋が軒を連ねる中の一軒「Tibetan Dhaba」。
並びのお店は数ヶ所行き、メニューも料金もお店の雰囲気もどこも似たり寄ったりだけれど、ここが一番美味しいです。
チョーメン(100ルピー≒150円)とトゥッパ(80ルピー≒120円)。
チョーメンも美味しいけれど、ここはマトンスープが美味しいのでスープ系の方がおすすめ。
写真の後ろ姿の主人がかなりの料理人で、チャチャっと麺から作ってくれるテントゥクも絶品だったし、ある日の到着時に食べていたご本人の賄い料理はとてつもなく美味しそうで、夫は「それを注文したい」と指差してました。伝わらなかったけれど、、
ベジタリアン料理
インドは言わずと知れたベジタリアン大国で、ベジ料理と、ノンベジ料理はわかりやすくメニューに記載されているし、ベジタリアンレストランの数は、ノンベジレストランよりもずっと多く、商店で買えるお菓子や、加工食品、調味料に至るまではっきりとその記載があります。
我々は肉も魚も好きなので、なるべくノンベジの食堂を探すのだけれど、ここで初めて食べた「Tasty Bite」(地図上③)という食堂のソヤ・チャープ(Soya Chaap)というベジタリアン料理が、かなり美味しかったです。
ソヤって言っているくらいなので大豆が原料なんだと思うけれど、タンドリーチキンに似たテイストのスパイスで漬けて釜焼きし、レモンを絞って、パクチーソースと共に食べるのだけれど、これがチキンを越えてくるくらいの衝撃の肉感。
「Tasty Bite」のメニュー。ソヤ・チャープ、肉好きは一度試してみるといいかもしれません。
ここはGoogle Map にも載っていました。
マナリのお酒
街中にはビールショップが点在してるし、観光客向けのレストランであればお酒を飲むこともできます。ビールの値段は商店によってまちまちだけれど、大瓶が140ルピー(210円)くらいかな。
ある日はメインロードの大きめの酒屋に、ビール1本120ルピーの看板が張り出されたこともありました。ストロング系の人気のない種類のみだったので、買わなかったけれど。
あとマナリでは、ヒマーチャル州原産のアップル・シードルがフレッシュでとても美味しいです。他のエリアでは見かけないのでお酒好きはぜひ。
アップルシードルとアップルワイン専門の酒屋も何店舗もあるくらいに、ヒマーチャルではりんごから作られるアルコールが有名ですが、おじさんの絵が書いてある左のアップル・シードルが美味しいです(写真ブレてますが)。
アルコールは4〜8%みたいなちょっと曖昧な記載であったけれど、ビールくらいの感じ。値段は120ルピー(180円)。
食料品店
八百屋は地図②のごちゃっとしたエリアに、肉屋は地図④にあります。
肉屋ではチキンしか買っていないけれど、同じ場所でマトンや魚も売っていました。チキンは500gで100ルピー(150円)。
マナリの滞在先
最初の1週間は、前もって Airbnb で予約しいてたゲストハウス「Mary’s Cottages」に宿泊しました。Google Map の評価も、Airbnb のレビューも良かったんだけれど、到着してみると掲載写真やレビューには到底及ばないクオリティでした。
ハイシーズンは一部屋3,500円/泊なのに、誤まってローシーズン料金で掲載したところに私が予約を入れたようで、2,000円/泊(ダブルルーム、バストイレ付き)で泊まれていたんだけれど、それでもちょっと。
Airbnb ではラグジュアリーなヴィラとして掲載されているけれど、日中6〜7時間は毎日のように停電していたし、もちろんWiFiはあまり機能していないし、ホットシャワーの水圧は終わってるし、スタッフは働かないし、オーナーは気分屋だし、敷地内のゴミ箱はひっくり返ってカラスや犬が集まってくるし、、
インドって本当に!!
SIMカードでテザリングは出来たけれど、そもそもパソコンの充電がもたない。おかげさまで、「ラダック地方に行く前にがっつり仕事を片付けて」なんていう甘い見積もりは見事に崩れ去りました。山奥ならまだしも、こんなある程度の大きさの場所でもこんな感じなんだな、インド。
今見たら一泊4,260円もしているし、さすがに神経が図太いなー。
普段こんなことはしないんですが、こちらもちょっとずずしくならないとやってゆけないので、到着日翌日に電気コンロをゲットして、自前のキッチンを設置(下には石を敷いています)。
夫の職種が分かると「自作のホームページの相談をしたい」と3日目以降くらいから、オーナーがやたらと部屋に入ってくるようになったので、気がつかれていたと思うけど、何も言われませんでした。それとも気がつかなかったのかな、、
難しいことはできないけれど、モモをお持ち帰りしてスープに入れて食べたり、チキンと野菜を煮て鍋風にしたり。連日の雨で肌寒かったので、温かいものを部屋で飲み食いできるのは有り難かったです。
中心地から、15分くらい坂道を登ったところにあるので、窓からの景色がいいところが救い。
マナリ滞在予定の1週間を終えるころに風邪をひいてしまったので、2日間レーへの出発を遅らせて、中心地に近い「Hotel Manali Mahal」へ引っ越しました。
バストイレ付きのダブルルームで1,600円。部屋はMary’s Cottagesよりも狭かったけれど、シーティングスペースもあったし、何より停電しなかったのでこちらの方がずっと快適。
宿泊先がイマイチで、天気の悪い日が続きパッとしない日々となったマナリ(失礼)。でも変わってないことも分かったことだし、来れてよかった。
次、レーに向かって過酷バスルート出発します。
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