漁師町ネゴンボ。スリランカのお酒の話しと、満月の禁酒日「フルムーン・ポヤ・デー」
タシケントからデリー経由で、インドの南に浮かぶ小さな島国スリランカにやって来ました。
今年の旅先を決めるのに、最初に決めたのが中央アジアで、次にインドのラダック地方、山・山の間に海をはさんどくか、のおまけ的行き先で選んだ国ですが、ここがまあ、想像をはるかに超えて大好きな国のひとつに。旅ってやっぱり素敵。
最初に言ってしまうけど、人がとってもいい、自然が豊かで野生動物が多い、スリランカカレーも美味しい、文化もすごく興味深いし、治安はよくてインドよりもはるかに整ったインフラ、と隣国インドに比べるといい所しかない(悪いところも含めてインドは何度行っても面白い国なんですけどね!)です。
スリランカには2019年6月27日〜7月24日の約1ヶ月、ネゴンボ→ヒッカドゥワ→エッラ→キャンディ→ダンブッラ→ネゴンボに戻る、の合計5つの町に滞在しました。今回は最初の町ネゴンボと、今年4月にコロンボを中心に起こった同時爆破テロのその後と、スリランカのお酒の話し。
漁師町ネゴンボと、4月のスリランカ同時爆破テロ
私たちが計5泊したのは、ネゴンボの街の中心地より5kmほど北上したあたりで、海沿いに延びるメインロードには大きなホテルや観光客向けのレストランが並ぶリゾートエリアです。
滞在した6〜7月はネゴンボを含む島の西側がオフシーズン、そうじゃなくても2019年4月に起きた同時爆破テロのせいで、最盛期の10分の1くらいの観光客しかおらず、レストランやお土産やさんはどこも閑散としてました。
閑散とはしていたし、地元の人たちは観光客が減ってしまっているのをとても悲しがってたけれど、みんなすでに平和な日常を取り戻して、私たち旅行者をとても暖かく迎えてくれました。
毎日毎日にどれくらいの人から「ようこそスリランカへ」、「スリランカに来てくれてありがとう」、「スリランカはどうだい?」といった言葉をかけられたことか。
スリランカ全域では仏教徒が多いけれど、ネゴンボはヨーロッパの植民地化以降はカトリック教徒が多数派を占めていて、町には教会が点在しています。
仏教徒にしろカトリック教徒にしろ、スリランカの人々はとても信仰が深く、宗教施設は祈りを捧げる人たちで賑わっていて、早朝には人々が神様にお供えするための白いお花を摘んでいる姿を多く見かけます。
町中を流れる用水路と、この時期頻繁に見たトラックの荷台いっぱいに赤い実を乗せたランブータン屋さん。
ネゴンボの海は綺麗じゃないし、オフシーズンは波が高くとてもじゃないけれど入る気にはなれない。
スリランカの海沿いの町は漁を行なっている家庭が多く、ビーチや用水路には小舟が停泊し、毎朝いたるところで盛大なフィッシュマーケットが開かれています。
リゾートエリアの海辺もこんな状態で、海水浴ができるような”ビーチ”のかたちを保っている場所はすごく狭い。
フィッシュマーケットでは、小魚から1メートルを超える大きな物まで種類豊富な魚のほかに、大小様々のエビや、イカ、カニも手に入ります。中には、エイやサメに似た魚、熱帯魚のようなカラフルな魚なんかの食欲をそそらないものも多数。
魚は1kg300ルピー前後(180円)から、エビは1kg700ルピー(420円)前後。
魚介類を食べる、というのが今回スリランカに来た目的のひとつでもあったので、魚の売られる朝と夕方は、フィッシュマーケットを覗きに行っていました。
2メートルほどの大きな魚には数人が並んでいて、人気があったし新鮮そうだったので1切れだけ買ってみたけれど、身が妙にゼラチン質で美味しくなかった(写真左)。と、中央アジアでの魚介不足のウサを晴らすかのように毎日食べたエビ。
ネゴンボの小さな食堂で食べた初めてのスリランカカレー、5種類の野菜カレーがついて、魚カレーは150ルピー(90円)と格安です。
「テロが起きてしまったネゴンボの教会が、修復が終わって数ヶ月ぶりに開いているから見にいってきたら?」と借りていた部屋のホストの方に勧められて、教会の見学にも行ってみました。
すっかり修復されていましたが、テロが起きたことを心に刻むために一部そのままの状態の床と、返り血を浴びたイエス様。ここまで連れて行ってくれたトゥクトゥクのドライバーさんがお祈りのあと涙ぐんでいて心が痛む。
教会のすぐそばには、被害者の慰霊碑が建てられていました。小さな子供や、10代の学生を含む数十人がこの教会でなくなったそう。
スリランカのお酒
お酒の種類が多くはないスリランカ、私たちが滞在中お世話になったのは、ライオンビールとココナッツの蒸留酒オールドアラックの2つです。
アラックやウイスキーは数種類のメーカーが製造していたけれど、ビールに関しては、スリランカ産はライオンビールのみ、さすが社会主義国家。
お酒の種類が少ないだけでなくて、アルコール類は政府の運営する酒屋でしか手にはいりません。安い食堂にビールが置いてあることはほとんどなくて、外で飲みたい場合は観光客向けのレストランに行く必要があります。
ただ、小さな町でも複数の酒屋があり、朝9:00頃〜21:00くらいまで毎日開いているので、想像していたよりはずっと買いやすかったです。
また、スリランカではアルコールは基本的に政府の専売制で、ほとんどの場合はどこの酒屋で購入しても同じ料金で売られていました(エッラでは酒屋兼バーでしかアルコールの購入ができず、そこは少し料金が上乗せされていました)。
ライオンビール
ライオンビールは、ラガーの他、スタウトとストロングの3種類、大きさは500mlの缶ビールと630mlの大瓶の2種類です。
アジアでありがちな、ベタッとした甘めのビールですが、変なアルコール臭なんかは全然しません。
缶でも大瓶でも料金は同じで、ラガー180ルピー(110円)、スタウト350ルピー(210円)、ストロングは飲んでないので不明。
大瓶は瓶代で40ルピーがかかりますが、空き瓶を持っていけば次回からはもちろん瓶代はかかりません。また、瓶の購入した本数をレシートに記載して後日に空瓶を返すと40ルピーを返金してくれる店舗もありました。
私たちの場合はネゴンボでは、瓶代をうまく返金してもらえたんですが、2つめの滞在地ヒッカドゥワ以降は常に数本の空瓶とともに移動していましたw
部屋のオーナーさんが、「ビール買いに行くなら空き瓶あるよ」と声をかけてくれたことも何度かあったので、初めてビールを買いに行く場合は聞いてみるのもいいかも。
ココナッツの蒸留酒アラック
ビールのあとに日々飲んでいたのは、ココナッツの蒸留酒アラック。
数種類のアラックを試したけれど、このDCSL社のオールドアラックが一番まろやかで翌日にも残らないのでおすすめ。
暑くて湿気を含んだスリランカの夜、オールドアラックを炭酸水で割って、氷を入れライムを絞ると、少し甘いココナッツの香りがとても美味しい。
料金は750mlで1,830ルピー(1,100円)。
よく買っていた炭酸水、ビールと同じライオン社の「LION CLUB SODA」。
スリランカの代表的飲み物、ショウガの炭酸飲料「GINGER BEER(ジンジャービール)」もライオン社のものが甘すぎずにおいしい。紛らわしいけれど、ジンジャービールはアルコールは入っていないソフトドリンクです。
禁酒日「フルムーン・ポヤ・デー」
これは酒飲みにとって超重要事項なんですが(笑)、国民の休日でもある満月の日「フルムーン・ポヤ・デー」だけは、スリランカの人々は寺院に参拝しお酒を飲んではいけない日なので、酒屋は閉まり、バーやレストランでのお酒の販売も禁止されています。
あらかじめ、満月がいつなのかはチェックしておいたほうがいいですよ!
ネゴンボで生ビールを飲むならここ!
ネゴンボのリゾートエリアで生ビールが飲みたいときは、「Machan Negombo Beach」が俄然おすすめ。メインロードには魚介類推しのちょっと高級なレストランが数多く並ぶけれど、ここは生ビールが250ルピー(150円)で飲めます。
ご飯もお手頃で美味しい、胡椒が辛いポークブラックカレー(600ルピー)と、魚のフライ(580ルピー)。
スリランカの言葉で”仲間”を意味する、レストラン「Machan」はチェーン店でコロンボを中心にスリランカ内に10店舗くらいあり、私たちはネゴンボ以外ではダンブッラで行きました。確かキャンディにもあったはず。
スリランカ全土のいろんなバーやレストランで生ビールの値段を確認しましたが、ここより安く飲めるお店は見つからなかったので、ぜひ!
ネゴンボ店では、曜日によっては生演奏をしていて、外国人観光客以外にも多くのスリランカの人たちで賑わっていました。
Machan Negombo Beach はここです。
滞在したアパートメント
ネゴンボでは、ホスト家族の住むお家の二階部分を借りていました。
ここもまた airbnb をとおして借りた貸切アパートメントで、今回の旅で最安値の手数料込みで1,500円/泊。おばあちゃんが毎朝数時間かけてお庭の掃き掃除をしていたのが印象的、スリランカの年配の人たちは裸足で生活している人も多いです。
ホストの旦那さんもとても優しくて、仕事から帰ってくるといつも私たちの暮らす部屋の玄関口まできて、私たちのその日の様子を聞き、翌日以降のことについて相談に乗ってくれ、スリランカで疑問なことを聞くと丁寧に答えてくれました。
キッチン兼ダイニングのこの部分が、屋根はあるけど一面は壁でなく柵で、半野外なので、鳥や虫やリスの野生生物の気配がガンガンします。ワイルドだったけれどそういうの結構好き。専用洗濯機も、WiFiも、ホットシャワーも問題なかったです。
「ダイニングは蚊が多いし扇風機だけでは暑くて仕事にならない」と夫は唯一クーラーのある寝室のベットの上で仕事してたのがちょっと大変そうだったけど。
ネゴンボは、コロンボに比べて安い物件が多くて、貸切の一軒家も2,000円台からいくつもあったので、エアビー生活快適だと思います。
次の滞在地、ビーチリゾートのヒッカドゥワでは、なんと初めての「プール付き一軒家」借りちゃいました!
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