アルスランバブでトレッキング。オシュ→ビシュケクへの道と中継地トクトグル。
オシュ〜ビシュケクの道のりは、バスだと半日かかって料金は1,600円程度、飛行機だとたった50分で料金2,700円程度です。オシュ南部のトレッキングを少しでも楽しめていたら飛行機で飛んじゃいたいところだったけれど、滞在した5月はまだまだトレッキングオフシーズンだったので、アルスランバブ(Arslanbob)で少し山歩きをし、道中の景色を楽しみながらゆっくりビシュケクを目指すことにしました。
アルスランバブに2泊、中継地のトクトグル(Toktogul)に1泊し、2019年5月19〜22日の3日間かけて移動したオシュからビシュケクへの道のりです。
今回の中央アジア旅行を計画した時点では、中央アジア低地の初夏の暑さにばかり目がいってしまって夏を避けてしまったんだけれど、キルギスタン・タジキスタンってこんなにトレッキング大国だったんだなーと後悔してます。5月〜6月も高原では花が咲き乱れていてとても綺麗だったんですけどね、でも次は夏から秋にかけて戻ってきたいなあ。
アルスランバブでのトレッキング
アルスランバブはオシュ〜ビシュケクを結ぶ大通りからは30kmほど内陸に入った場所にある、山の麓の小さな村。
村からはいくつかのトレイルが伸びていて、メジャーなハイキングルートは Big Waterfall、Small Waterfall、あとはくるみの森。字面で見ると”くるみの森”ってすごいおとぎ話感だけど、アルスランバブはくるみの生産地で有名らしいです。
私たちもアルスランバブの滞在中日、まずはMaps.me上に記された Big Waterfall を目指しました。車でも滝の麓までは行けるみたいで、キルギス人の旅行者たちはみんなトラックの荷台に乗って向かっていましたが私たちは徒歩で。気持ちのいい天気で山の景色も綺麗、Big Waterfall までは村から片道4kmほど。
滝を展望するポイントの麓には先ほどの旅行者を乗せたトラックが数台駐車していて、小さな売店がいくつか出ていました。そこから先に進むには入場料50ソモニ(80円)がかかり、急な坂道を500mほど登れば Big Waterfall 。
滝自体は大したことなかったけれど、展望ポイントではキルギスの国内旅行の人たちが大盛り上がりでとても楽しかったです。言葉は全然通じてないけれど何枚もの記念撮影を一緒にして、おしゃべりして、イスラムのお祈りをしました。
盛り上がった後に現在地と地図を照らし合わせると、滝の右奥に登れそうな道があり、Maps.me上に”The Holy Rock”と書かれたポイントをぐるりと周遊して村に帰るトレイルが記載されていたので登ってみることにしました。
数百メートルとはいえちょっと岩登りみたいな感じでこわかったですが、少し登っただけであっという間に広がる山の景色は、さっきまでよりも俄然山に近い。
滝の横の急登を登りきり、滝上流の川を西側に渡ったあとしばらく緩やかな道を登っていきます。
雪の残ったかっこいい岩山と、緑の茂る大地と、放牧された牛や馬。
自然は素晴らしく美しいのに全く人がいないところも、どこでテントを張っても良さそうな緩さもキルギスの山歩きは本当に素敵。
ただまだ5月中旬のオフシーズンなので、標高2,500m前後からは残雪が気になり出します。
雪どけた場所を探しながらなんとかここまで登ってきたけれど、Maps.meで確認できるトレイルは目の前の雪だらけの道、これ以上進むのは難しそう。歩こうとしているトレイルのちょうど半分くらいのところまできていたけれど、すでに滝から4時間ほど歩いて時間は15:00だし、先へ進めないのならそろそろ折り返した方が良さそう。
全トレイルを歩いてみたいというより、登ってきたあの崖や雪道を降るのは嫌だ、という気持ちでここまで来てしまったけれど仕方ない。
もと来た道を降り始めると、山歩きに慣れた地元のおじさんと少年が同じようにこの山から村を目指しているのを発見、ついていかせてもらうことにしました。
少年とおじさんが代わる代わる先頭でのルート探しを務めながら、私たちでは選ばない道、というか崖をぐんぐん降って、先に行っては様子を見て「来い来い」と合図してくれたり、「こっちはだめだ」と岩に登って他の進めそうな崖を探してくれたり、慣れない私たちは付いていくのに精一杯で滑り落ちるようにあっという間に下山。
先でルートを探すおじさんの荷物を引き受けて、岩に腰掛ける少年。おそらく家畜を放牧してしょっちゅう山に入っているんだろうけれど、山歩きが尋常じゃなく早くてルート探しが神がかってる。私たちとはかけ離れた人生だろうな、と遊牧民の生活に思いを馳せます。
おかげさまであっという間に下山し、下山した先は、おとぎ話に出てきそうな牧草地でした。
美しい緑の大地では牛や馬が自由に歩き回って草を食み、小川が流れ、黄色の花が咲き乱れています。
小川の辺りに腰掛けて、持っていたコップに水を汲んで、おもむろに取り出したパンを食べ始めた少年とおじさんと一緒にしばし休憩。
休憩後は再び一緒に歩き始めたけれど、崖下りが終わったからか私たちを気にすることなく先を歩くふたりに付いて行くことはできず気がつけばすっかり置いていかれてしまいました。
まあ、でもここからはどうやったって村にたどり着けるしのんびり帰ろう。
ここから村までは穏やかな牧草地を1時間ほど歩き、無事に夕方には村に帰ることができました。
この平和で静かな牧草地は、私たち的には Big Waterfall よりもずっとオススメのハイキングルートなので、興味がある方はぜひ。この辺です。
アルスランバブのホームステイ
アルスランバブではCBT(Community Based Tourismの略)で民家を紹介してもらい、そこにホームステイするというのが通例です。Booking.com にも数軒のゲストハウスが登録されていたけれど、私たちも今回はCBT経由でNo.16(だったかな?)の民家に宿泊させてもらいました。
ホームステイとは言っても、敷地内にホストファミリーのお家とは別にゲスト用の別棟があり、部屋ももちろん二人きりなので気が楽。朝食付きで一泊550ソモニ(880円)/人、夕飯は別途で300ソモニ(480円)/人。トイレは離れのボットン式で、シャワーはあるという話だったけれど、ちょろちょろの水圧でかなりぬるかったです、まあないよりかはいいかな。ホームステイ先にはWiFiはなくて、村でのsimカードでのモバイルデータ通信は3Gでした。
アルスランバブの村には2〜3軒のカフェと小さな市場、いくつかの売店と1軒の酒屋があるけれど夕方には全て閉まってしまうので、夕飯は宿泊先で食べるしか選択肢がなさそうで、2日間とも宿でご飯を食べました。
家庭的な食事は、油が多めのボリュームたっぷり、素朴で美味しかったです。
オシュ 〜 ビシュケク への道と、中継地トクトグル
オシュ〜ビシュケクは景勝ルートとしても知られているだけあって道中とても綺麗な景色の中進んでいきます。私たちは中継地点のトクトグルで一泊し、トクトグルからビシュケクへの移動の日は天気が悪かったのでちょっと全貌はわからないんだけれど。
オシュからトクトグルまではいくつかの湖を通り、緑の美しい丘を進んでいきます。
悪天候だったトクトグルからビシュケクまでは標高をあげて雪山を通過、途中同乗者のおばちゃんがフレッシュなミルクを買うために、遊牧民の集落に立ち寄りました。この周辺も天気が良ければ、ユルトと雪山と緑の大地と放牧された動物たちが織り成す景色がさぞかし美しかろうと想像できます。
途中で一泊した中継地のトクトグルは、住んでいる人はそれなりに多そうだったけれど、全くもって観光地ではないので、レストランも宿も少なく見る所のない町でした。
長距離移動するより楽かなと思って寄ってみたけれど、天気の良かったこの日のうちに全部移動してしまった方が良かったかな、、
次は一旦ビシュケクは置いといて、ビシュケクから向かったカザフスタン・アルマトイの話の予定です。
この記事が気に入ったら
いいね!