【秘境】パミール高原を越えて、ホーログからキルギスのオシュへ

June 04, 2019

ホーログで2日間の休息をとり、2019年5月9日パミール高原へ向かいました。

と言ってもパミール高原ではムルガブ(Murghab)というパミール高原で一番大きな町に一泊しただけで、翌日はキルギスのオシュまで一気に移動してしまったので、本当に通過のみ。静かで広大な絶景続きだったにも関わらずワハーン回廊に比べて思い出うすめです。標高4,000m前後に広がるこの高原は、5月上旬はまだまだ寒かったので、もう少し暖かい季節に戻ってきて大自然を満喫したいな。

(前回のワハーンの話 → 【秘境】ワハーン回廊で温泉三昧〜個人で行く秘湯・ガラムチャシマとビビファティマ

そういえば、ホーログからオシュまでの1泊2日の移動費用はトータルで一人500ソモニ(6,000円)でした。ビビファティマまで往復した2泊3日のワハーン回廊での移動費用は全部で一人250ソモニ(3,000円)。5日間の同じ行程のジープチャーターは、400〜500USDくらいが相場っぽいので、個人で旅しても4〜5人でチャーターするのと同額くらいでいけますよー。

ホーログからムルガブへ

ホーログからムルガブに移動したのはのロシアの戦勝記念日で、「ホーログでも祝日になるから移動する車の数は少ないよ」と警告されていたので、前日にシェアタクシー乗り場で口約束の予約をしていました。料金は200ソモニ(2,400円)/人。
他にタジク人の乗客二人を乗せて、予定通り9:00にホーログを出発しました。

まずはガソリンスタンドで荷物の受け渡しをするのに1時間待機して、その後小さな村でお昼ご飯を食べて、パミール高原らしい景色になって来たのはお昼すぎ。

あっという間に標高をあげて、この辺りで3,000メートルくらい。

そして峠を登り標高4,000メートル前後に広がる大平原、パミール高原へ。

車道から離れたところに見えるいくつもの小さな湖は、どれも静かでとても神秘的。こういう景色をゆっくり堪能できるチャリ旅は猛烈に羨ましいけれど、流石にこの季節にこのエリアでのテント泊はきつそうだな。

こんなに標高の高い場所に、こんなに平らな場所があるなんてすごい。
遠くに見えて来たのはホーログとムルガブの真ん中あたりにある小さな村Alichur。

村に入る手前の川では10人くらいの人たちが釣りをしてました。こんなところで送る人生ってどんなだろう。

標高が高くて寒いし緑も少なくて、その分景色は崇高な感じがするけれど、ワハーン回廊に比べると生活が厳しく笑顔が少ない雰囲気、人口もかなり少ない感じ。

とてもきれいだけど住みたくはない。

車のタイヤがパンクして、それを直している間に同乗者と謎の記念撮影w
この男性は、タジキスタンとキルギスのサリタシュ国境での税関のお仕事でムルガブに赴任中。娘二人と奥さんはドゥシャンベで暮らしてるんだって、寂しいだろうな。

ホーログから320km、乗車時間7時間くらいで夕方頃にムルガブ到着。

ムルガブに宿泊

パミール高原の中心地であるムルガブでは、シェアタクシーのドライバーさんになんの説明もなく連れて来られた『Mansur Tulfabel』に宿泊しました。Maps.meにも記載があるし、ブログでも見たことのある、多分ムルガブで最も有名なホームステイ。
仲良くなった香港女性がの話だと、建物内にバスルームがあるのはムルガブでは『Pamir Hotel』だけらしいです。ツインで20USDのようなので、ホームステイが嫌な人はそこを選んだほうがいいかも。

有名なだけあって混んでいて相部屋だったらやだなと思ったけれど、2人貸切で使えるゲストルームは暖房を効かせてくれたし、ホットシャワーも浴びれたし、女性用のトイレは屋外ではあるけれど西洋式のトイレで(男性は通常通りボットン)、おじいちゃんは無愛想に見えたけれどすごく親切で、かなり快適でした。

料金は朝食込みで一人55ソモニ(660円)。翌朝二人で110ソモニ渡すと、なぜか5ソモニを「これは君にあげよう」と言って返してくれたおじいちゃん、ほんとトゥゴズのアキムさんは見習ったほうがいい(根に持ってるw)。

荷物を降ろしシャワーを浴びさせてもらうと、おじいちゃんに紹介された食堂へ向かうことに。ムルガブは標高3,600m、日が暮れると途端に寒くなります。

食堂では、定番ショルボとラグマンどちらも確か20ソモニ(240円)、こんな場所にあってもさすが主要道路沿いのそれなりの大きさの町なので食材は豊富そう、ショルボの羊肉が大きすぎてちょっと食べるのが大変。

ここの食堂の女性だちもそうだったけど、同じタジク人でも、ワハーン回廊のアラビックな顔立ちから一変してここブルガブは中華系の顔をした人が多いのが面白い。

翌朝のムルガブ。水は基本的には井戸から汲んで運ぶようで、ホームステイ先のおじいちゃんも朝から何往復もしてました。並ぶ民家からは煙が立ち登りそれぞれの家族が活動を始めたのがわかります。暖かい時期はまだいいけれど、これ冬とかどうやって生活してるんだろ。

ムルガブからキルギス・オシュへ

昨晩のうちに「明日はキルギスの国境の村サリタシュ(Sari Tash)かオシュ (Osh)に行きたい」と、ホームステイ先のおじいちゃんに相談すると、知り合いのドライバーに電話しておいてくれるという話でした。ムルガブから230km離れたサリタシュに行くのも、サリタシュよりも190km先、トータル距離420kmのオシュに行くのもどちらも200ソモニ(2,400円)だ、というおじいちゃん、ほんとかな。

この日はドライバーさんを見つけないまま、翌朝はおじいちゃんの知り合いのドライバーさんのお家に行って、1時間後、「他の乗客が一人しか見つからないから多めに払えるか?」ということで、300ソモニ(3,600円)/人でオシュまで一気に移動することにしました。

自分たちでシェアタクシー乗り場で値段交渉すれば、定額の200ソモニで行けたと思うけれど、あんまり遅い出発になるのも嫌なので仕方ない。ドライバーさん、助手席には地元のおばちゃんが座って、後ろの座席を二人締めなので広々快適な移動です。

標高4,655mの峠。

直径25kmの大きなカラクル湖の周辺は移動式の住居ユルトが建ち、家畜が放牧されて、お母さんに抱かれた子供達がこちらを見ています。

ここもまだ3,900mの高地なので家畜は、牛やヤギの他にヤクも。

キルギスに近づくにつれて、あたりは乾燥していた白っぽい大地から茶色の湿気を帯びた大地に。

到着したタジキスタン国境。ここからキルギスタンのイミグレーションがある場所まではなぜか10km以上もの距離があります。キルギスに入国すると急にガスが山全体を包み、雹交じりの雪が降り始めました。こんな悪天候の中、急な坂を上がってくる自転車旅行者もいて大変そうだったなー。

本当は宿泊してみたかったサリタシュに到着したのは16:00頃、ずっとお昼ご飯を食べられるような場所がなかったのでここでやっと食事休憩です。

サリタシュは相変わらず霧に包まれて小雨が降っていたので、この日のうちにオシュまで行くことにしちゃったのはよかったかもしれないな。ムルガブと変わらない高地の小さな村サリタシュは、小さな食堂でもなかなかスピーディーはWiFiがあってびっくりしました。こんなことで国が変わったことを実感する私たちって(笑)

キルギスに入って、馬と緑が増えた!

道路も立派ー。

タジキスタンのワハーン回廊・パミール高原は旅情満載で、こんなに楽しくて個性的な旅先はそう見つからないくらいに素敵なエリアだったけれど、長めに滞在するなら快適なキルギスタンだなー。次のブログはキルギス最初の街、オシュの予定です!

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