巨匠ルイス・バラガンのサテライトタワーとバラガン邸、ヒラルディ邸、あとトラルパンの礼拝堂を見学。
メキシコシティのどの観光地よりも行ってみたかった観光スポット、メキシコの建築家ルイス・バラガンの建築物を合計4つ、見に行きました。
予約がめんどくさかったり、郊外にあったり、見学料が高かったり(ルイス・バラガン協会、商業的すぎじゃないかと思ったり)もしたけど、どれも素晴らしかったです。
建築家、ルイス・バラガン
ルイス・バラガン・モルフィン(Luis Barragan Morfin)は1900年代のメキシコを代表する建築家。
1980年には建築のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し、後半生を過ごしたルイス・バラガン氏の自宅兼仕事場は、2004年にユネスコ世界遺産に登録されています。
サテライト・タワー
最初に見に行ったのは、サテライト・タワー、中央分離帯に立つ巨大なモニュメントで、ただメキシコシティを象徴するためだけのもので実用性は何もありません。
地下鉄の終点からバスに乗って20分くらい、町中から行くのには少し時間がかかります。
バス停で降りると前方に大きくそびえ立つ「サテライト・タワー」が!
最初、バスから降りた時には「あれかー、大きいなー!」くらいの印象でした。
でも、近付いて行くにつれて見えている形がどんどん変わってきます。
50m立ち位置を変えるだけで、全く違う印象を受けるモニュメント。
建築物がこんな風に人を感動させることが出来ることにびっくりしました。
建築って、アートだったんだな、、バラガン、すごい!と一発目からすっかり心を奪われてしまいました。
ルイス・バラガン邸
翌日向かったのは、ルイス・バラガンの自宅兼仕事場で、世界遺産にも登録されているルイス・バラガン邸(Casa Estudio Luis Barragán)。
見学には予約が必要です。私たちはメールで予約をしました。
メールアドレス、地図、見学ツアーの時間はこちらの公式ページから確認できます。
http://www.casaluisbarragan.org/eng/en_visitas2.html
私たちが訪れた2015年は見学料が200ペソ(1,500円)でそれでも高いなあと思ったけれど、今は300ペソするみたい。カメラ持ち込み料は別途で500ペソ。
外観は、普通の家よりも地味でどこだか気がつくのが難しい。
家の中は、小手先のスタイリッシュとは程遠い、じわじわとくるいつの時代にみても斬新だと思える造りでした。とても穏やかに暮らせそうな暖かな光の入るリビング、遊び心のある階段の先にある落ち着いた雰囲気の書斎、ぐっすりと眠ってさっぱりとした新しい気持ちで目が覚めそうな寝室と、工夫を凝らされた庭。
カメラを持ち込まなかったので写真を撮れたのは屋上だけ。
見学に行く前に読んだブログで、ルイス・バラガン邸の豆知識が書かれていて、見学の際に「おお、これが!」と思ったので転記させてもらいました。
・バラガンはこの「バラガン邸」に移り住む前に、この邸宅のすぐ隣の家に住んでいた。この旧宅(現「オルテガ邸」)を売却し、改めて自邸を建てることになった際、旧宅の庭をこよなく愛していたバラガンは、「新しい自宅に、この家の庭が見える窓を作ってもいいか」と買主に聞いた。買主は快く承諾、バラガンはこの旧宅の庭を臨める部屋を1室、新宅に作った。そしてその部屋は、なんとゲストルームとして使われていた!
自分の気に入りの景色を友人に味わってもらおうという心遣い!素晴らしい!・バラガン邸には2つのゲストルームがあり、1つは前出のオルテガ邸の庭が見える部屋。こちらは親しい友人用の部屋だったのに対し、残りの1つは「それほど親しくない人用」。こちらのゲストルームには、ベッドの枕元に幼子イエスを抱くマリアの絵がかかっているのだが、ベッドの横幅に対し、中央より左寄りに掛けられている。そうすることで、マリアの目線がベッドで眠るゲストに注がれるようにした。敬虔なクリスチャンだったバラガンならではの心遣い。
・設計の際は「降り注ぐ光」を重要視したバラガン。自邸のリビングは壁一面が窓になっており、カーテンがついてはいるものの、このカーテンも窓の半分ぐらいの高さしかない。さて、実はこのリビングには、窓の外側にもロールカーテンがついている。これは、カーテンのない窓の上半分から洩れるリビングの光に誘われてやってきた鳥が、窓ガラスにぶつかって死んでしまったのを悲しんだバラガンが、二度とこんなことがないように、と後から設置したもの。
心遣いのある優しい人、バラガン。
世界遺産とはいえ、一つのお家を見るのには高額だと思うけど、行く価値はあると思う。ただ、たまたまかもしれないけれど、ガイドさん一人でツアー客が15人くらいと大きなグループで(そのうち4人が騒がしい日本人のおばちゃんで)落ち着かなかったな。
ルイス・バラガン協会が運営しているようだったけれど、儲けようとしすぎ感が否めなくて残念。笑
ヒラルディ邸
そのあとに行ったヒラルディ邸(Casa Gilardi)は、ルイス・バラガンの最後の作品となる住宅で今も一般の方が住んでいるお家です。バラガン邸から徒歩10分ぐらい。
ここも予約が必要。ルイス・バラガン邸を予約する際に、ルイス・バラガン協会に同じメールで問い合わせてみたけれど、ヒラルディ邸に関しては直接コンタクトを取ってください、という返事でした。
スペイン語で電話なんてもちろんできないので、メキシコシティに到着してから直接お伺いし、後日の予約をしました。
予約の際に、オーナーのおばさまに「今日だったら13:00から見てってもいいですよ」と言われたので、直接見学するつもりで行っても大丈夫かも。あと、この方は英語が話せたので、電話予約も英語でもできるかもしれません。
見学料はルイス・バラガン邸と同様で200ペソ(1500円)、カメラの持ち込み料は500ペソ(3,700円)。
(ここは日本から短期旅行で来た友達がお金を支払ったので写真があります。ありがとう。)
建築物に色々な色を使ったバラガンだけど、緑色だけは自然の緑が一番美しいと考えていたので、緑色が必要な場所には植物を配置したそう。
この暖かな光の差し込む長い廊下の奥にある、屋内にプールは彼の集大成とも呼べるもの。
写真では全く伝わらないけれど、扉が開き、プールのある部屋が見えた瞬間の驚きはすごかったです。
近所に住んでいたヒラルディ氏はバラガン建築に心酔していて、2年にわたって、「どうにか自分の住む家の設計をお願いできないか」と懇願し続けていたんだって。ヒラルディ氏の所有する土地があまりに狭く断り続けていバラガンも最後は根負けしてその土地に建設されたのが「ヒラルディ邸」。
予約の受付もしてくれたオーナーの上品なおばさまが、ガイドをしてくれました。
トゥラルパンの礼拝堂
最後に行ったのが、トゥラルパンの礼拝堂、別名カプチーナス修道院礼拝堂(Convento de las Capuchinas Sacramentarias)。
トゥラルパンの礼拝堂、場所はここです。
ここも予約が必要で、私たちは数日前にわざわざ一旦足を運びました。スペイン語が話せれば電話での予約も可能だと思う。当日は年配の修道女(シスター)の方が礼拝堂の中を案内、解説してくれましたが、全部スペイン語で英語は全く話さないようだったので、スペイン語を話せなければ直接行くのがいいと思います。
日曜の午前中はミサをやっているので、見学を受け付けていないようだったけど、それ以外であれば直接行ってその日のうちに見学させてもらうことも可能かもしれません。
見学料はここも200ペソで、写真撮影は不可でした。
最後、シスターの方が、「学生さんだったらもっと安いんだけど」と遠慮がちにお金を受け取っていたのが可愛らしかった。
ここが本当に素晴らしかったです。細かなところにまで工夫が凝らされたて建物自体も、荘厳で暖かな雰囲気も。外の喧騒とは全く違う、どこか時空さえ超えた別の空間に来てしまったかのような感覚でした。
建築について語れる知識も、表現できる言葉のセンスもないので、言えることとしては「ぜひ行ってみてください」だけになってしまうけれど、ほんと、メキシコシティに滞在する機会があればぜひ。
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